子どもの突然の体調不良。
作ったご飯が食べられないと“栄養がとれていない”“体力が減る一方では”と心配になりますよね。
一方で、風邪の時は十分に休むことも重要。
食事と睡眠のバランスがよくわからないし、できるなら何か少しでも食べられるものをとった方がいいんじゃないか、と気になってしまいます。
この記事では、
✔︎風邪をひいた子どもがご飯を食べないのが心配
✔︎ご飯を食べない子どもにはどうしたらいい?
と悩む方に向けて、水分補給と休養の大切さにふれながら、ご飯を食べない幼児にできる3つのことについて紹介しています。
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1.子どもが風邪の時に優先すること
こんにちは、献立作りを不要にする栄養コンサルタントの高野( @takano_nao)です。
風邪をひいた子どもがご飯を食べなくなること、よくありますよね。
何とか子どもの好きなものでも食べさせようと、あれこれ試すママもいらっしゃるかと思います。
普段食べている量がわかっているだけに、
“食べないと栄養不足になるんじゃないか”
“体重が減ってしまう”
“体力を回復させないと”
と、気になることは多いですよね。
でも、風邪をひいた体は自然に消化機能が弱り、食欲も抑えられるようにできています。
なので、数日程度であれば、そこまで神経質に栄養のことを気にする必要はないんですね。
体の状態としては“いつも通り食べられなくて当然”と捉えてみると、少し不安が減るのではないでしょうか。
風邪の時に、栄養よりも優先したいことは、“水分補給”と“休養”となります。
その大切さをみていきましょう。
1−1.水分補給
高い熱が出た時、体の中では、ウイルスをやっつけるための免疫細胞が動き出します。発熱によって、熱に弱いウイルスを死滅させようとするんですね。
そのため、多くの汗が出て、水分とエネルギーをいつも以上に消費するように。
また下痢の場合も、体にとって不可欠な水分が大量に出てしまいますよね。
体の水分が不足すると全身をめぐる血液量が減少します。
結果、集中力が低下したり、消化機能が落ちることで食欲不振になったりするんですね。
なので、基本的に、風邪をひいたら水分不足にならないように注意する、と覚えておきましょう。
鼻水やのどの痛みについても、水分を十分にとることでその粘膜の炎症を緩和できることも。
いつもよりも飲む回数を意識していきましょう。
水分をとる際には、冷たいお水を飲んでしまうと体への刺激になってしまうので、常温のお水などを摂るようにしてくださいね。
ただし、吐き気がある場合だけは、水分補給は禁止となります。
繰り返しもどすと脱水にならないか心配になりますが、ただの水でさえも飲んでしまうと吐き気をさらに強くすることに。
この場合は、水分も食べ物も体に入れることなく、吐き気がおさまるのを待つのを優先します。
吐き気がおさまったら、スプーン1さじから水分を15分おきくらいに口に含む、という方法で補給してくださいね。
1−2.休養
風邪を引いたら休養が大事、というのは小さい時から慣習として身についているのではないでしょうか。
胃腸など他の活動を抑えて、免疫細胞はウイルスと戦っているので、体が免疫力強化に専念するためにも十分な睡眠はとても大切ということですね。
その免疫力。
いつ作られているかというと、私たちが寝ている間なんです。
寝ている時に、免疫細胞は作り変えられ、傷ついた細胞は修復し、疲労を回復してくれるんですね。
これは、子どもはもちろん、大人になっても働いてくれている“成長ホルモン”のおかげ。
入眠後の数時間が深い眠りになるほど睡眠の質は良くなり、回復力は強くなるので、よく言われるように、“寝たら元気になる”というのは、理にかなっていることなんですね。
大人になると、日常に追われて忘れがちですが、本来は子どもにも大人にも必要な睡眠。
風邪を引いた時はもちろん、普段の生活でも睡眠の大切さを忘れずにいたいですね。
2.ご飯を食べない幼児にできる3つのこと
子どもの体調不良は突然起こることも多いので、普段からいざ!という時のための食品を用意しておくと安心です。
日々使っている食品や、ストックしている常備食品で、ご飯を食べられない子どもでも摂りやすいものを作ることはできます。
3つポイントを見ていきましょう。
2−1.手作りイオン水で補給
風邪をひいたら水分不足にならないように注意する、と書きましたが、この“体の水分不足”というのは、単に水分だけではなく、ナトリウムやカリウムなどの電解質を含みます。
水分と一緒に体外に出ていってしまう電解質も同時に補給する必要があるということですね。
子ども用のイオン飲料や経口補水液が適していますが、市販のものを買わなくても、家にある食品で簡単に作ることができますので、ぜひ一度、いざ!という時のために試してみてください。
(材料)
水(または白湯) 500ml
砂糖 大さじ1
塩 小さじ1/4
全ての材料をよく混ぜ合わせたら完成です。
体内に水分を吸収しやすい割合になっているので、この配合を覚えておけば、必要な分だけ作ることができますね。
2−2.お手軽スープで補給
風邪でご飯を食べられない場合は、温かいスープなどで水分補給をと言われますが、どんなスープを作ればいいんだろうと思われたことはないでしょうか。
“いつものお味噌汁でいいの?”
“野菜のスープって時間がかかりそう”
“ポタージュなんて作れない”
‥
子どもが体調不良の場合は、ケアをするだけでいっぱいいっぱいですよね。
大人の食事や、洗濯などの家事まで手が回らないことも多々。
そんな時に作るスープは、本当に簡単なものでいいんです。
少しでも温かい飲み物を体に入れて、ゆっくり休養するのが一番ですから。
甘みたっぷりキャベツスープ
キャベツを食べやすく細切りにして、コンソメ少々で味をつけたスープです。
そのとき家にある野菜を細かく切って薄く調味するだけで十分。
野菜に含まれるビタミン、ミネラルが摂れます。
まろやかミルク味噌汁
だしをとらなくても、小鍋でお湯を沸かして味噌をとき、牛乳を小さじ1〜2を入れるだけのお味噌汁。
大豆の栄養素が詰まっていて、体を温める効果のある味噌と、栄養価の高い牛乳が摂れるので、少しでも飲めると安心できますね。
2−3.甘いもので補給
風邪をひいた時の果物の定番といえば、りんご。
腸内環境を整えて疲れもとってくれるんですね。
りんごのほか、バナナやいちご、桃、梨など季節の果物を試してみてください。
また、場合によっては果物ゼリーやプリンなどが食べやすいことも。
これらの糖質は消化吸収が良いので、疲れている時にすぐにエネルギーとなり元気が出るようになります。
3.まとめ
子どもが風邪でご飯が食べられない時は心配になりますが、その時のケアのポイントをまとめると次のようになります。
✔︎水分補給と休養を優先
✔︎家庭にある常備食品で体調ケアはできる
十分に休んで元どおり元気になれば、食欲は出てきますし、それからいつもの食事ができれば大丈夫。
心配しすぎることなく、落ち着いて看てあげてくださいね。
今回は、「風邪をひいた子どもがご飯を食べないのが心配」「ご飯を食べない子どもにはどうしたらいい?」と悩む方に向けて、水分補給と休養の大切さにふれながら、ご飯を食べない幼児にできる3つのことについて書いてみました。
食欲がなくなるのは自然な流れなので、それほど心配しなくても大丈夫なんだ、ということがおわかりいただけたのではないでしょうか。
体力が戻って少し食べられるようになったら、手軽に作れる幼児向けレシピについてもまとめてありますので、ぜひ参考にしてみてください。
(参考文献)
日本睡眠学会『ヒト睡眠の基礎』
『栄養の基本がわかる図解事典』中村丁次監修(成美堂出版)
『からだにおいしい あたらしい栄養学』吉田企世子・松田早苗監修(高橋書店)
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