“子どもが野菜嫌い”というのはよく聞きますが、肉や魚などのタンパク質にも好き嫌いは出てきますよね。
離乳食の時から好き嫌いがある場合は、幼児食に移ってもその傾向が続きがち、という声も聞きます。
この記事では、
✔︎子供が肉や魚を食べなくて心配
✔︎子供がタンパク質不足になるとどうなる?
✔︎手軽にタンパク質を補給できるレシピを知りたい
といった方に向けて、子供のスタミナを補強する速攻レシピについて紹介しています。
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目次
1.子供の成長を左右するタンパク質の働き方
こんにちは、献立作りを不要にする栄養コンサルタントの高野( @takano_nao)です。
タンパク質は、炭水化物、脂質と並ぶ3大栄養素の1つ。
私たちの体にとって必要量が多い栄養素となります。
まずタンパク質の働きを見ておきましょう。
✔︎ホルモンや酵素の原料になる
✔︎エネルギーを生み出す
体そのものを作り、体を元気に動かすための栄養素。
成長が著しい子供にとっては特に必要不可欠な栄養素となりますよね。
そんなタンパク質。
一度にたくさん食べても体内に溜めておけないため、毎日コツコツ摂る必要があるんです。
子供は新陳代謝が盛んなので、怪我をしても傷はすぐに治っていますよね。
新しい細胞は日々どんどん作られていくわけです。
タンパク質が不足したら見られる症状は次のとおり。
✔︎成長ホルモンなどの分泌が減り成長障害が起こる
✔︎免疫力が下がる
など
いっぱい動いたり運動をしたりして、とっても疲れたーという日には、タンパク質を意識して補ってあげてください。
もちろん、炭水化物や野菜とともにバランスよく食べることが疲労回復につながります。
次に、子供のタンパク質がきちんと摂れているかどうか、国のデータを押さえながら見ていきましょう。
2.子供のタンパク質が不足している⁈
タンパク質にはいろんな種類がありますよね。
肉や魚、卵に豆類。
我が家ではそこそこ食べているので大丈夫!と思われている方もいらっしゃるかもしれません。
国の規定を見てみると、幼児から小学生にかけてのタンパク質摂取の推奨量は次のとおり。
年齢 | 推奨量(1日あたり) |
---|---|
3-5歳 | 男25g/女25g |
6-7歳 | 男30g/女30g |
8-9歳 | 男40g/女40g |
10-11歳 | 男45g/女50g |
12-14歳 | 男60g/女55g |
(厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2020年版)より抜粋)
一方、国が公表している実際の摂取量は次のとおり。
年齢 | 摂取量 (1日あたり・中央値) |
---|---|
1-6歳 | 男46.3g/女41.2g |
7-14歳 | 男72.0g/女67.3g |
(厚生労働省「国民健康・栄養基礎調査」(令和2年版)より抜粋)
これらのデータをみると、摂取量の方が高めの数字になっていますが、目標と実績での年齢区分が異なるため、単純には比較できないことがわかります。
また、摂取基準を設けながらも、子どもにとって必要なタンパク質は、一人ひとりの活動量に応じて柔軟に調節する、とも規定されてるんですね。
大人でもそうですが、身長も体重も、代謝も活動量も人それぞれ。
日中動きわまることが多いお子さんやスポーツをするお子さんにとっては、タンパク質が不足している可能性がある、というのが実のところ。
野菜を食べないことを心配する方は多いと思いますが、タンパク質の量もぜひ注意してみてください。
幼児期に必要な1日のタンパク質量についてはこちらの記事で紹介していますのでぜひ参考にしてくださいね。
3.質のいいタンパク質を知ろう
続いて、タンパク質の質について確認しておきましょう。
何気なく食べているタンパク質でも、その質には大きな差があります。
お肉の場合、食べていてもよくわかるかと思いますが、脂質の多いばら肉やひき肉と、脂質の少ない赤身の肉とでは味わいが大きく変わりますよね。
当然脂質の少ない赤身の肉の方がタンパク質の質も高いわけです。
ここで普段よく子どもが食べているタンパク質の質を見ておきましょう。
次の表のように、重さあたりのタンパク質の割合が高い食材からA群、B群、C群に分類することができます。
<肉類>
A群 | 鶏むね、ささみなど |
B群 | 牛ヒレ、豚ヒレ、鶏もも、レバーなど |
C群 | 牛ロース・ばら・もも、豚ロース・ばら・もも、ひき肉、ハム、ソーセージ、ベーコンなど |
<魚介類>
A群 | メバチマグロ、マカジキ、マダラ、ヒラメ、マガレイ、アサリ、しらす干しなど |
B群 | カツオ、マダイ、シロサケ、マアジ、シシャモ、カニ風味かまぼこなど |
C群 | マサバ、ハマチ、サンマ、サーモン、ウナギなど |
このように、重さに占めるタンパク質の割合が異なるんですよね。
もちろん、食材はそれぞれ含まれる栄養素が異なる上、同じものを毎日続けて食べるのは飽きてくるので、様々な種類の食品を摂るのがベター。
その上で、
・昨日は豚ばらの野菜炒めにしたから今日は鶏ももを使おう
・今日の魚は赤身にしよう
といった判断ができますよね。
上の表を参考に、タンパク質の質についてもアップデートしてみてください。
続いて、タンパク質の中でも特に良質なささみを使ったスピードメニューをご紹介します。
4.タンパク質補給!速攻レシピ4選
ワーママにとっては、手早く美味しく!が料理の基本。
頑張って主菜を作っても、子供の体調や、その日の気分によって食べる食べないは変わってきますよね。
なので、主菜のほかに副菜などでもタンパク質の食事量の底上げを考えておきましょう。
ここでご紹介するのはささみのメニューですが、手軽に魚を補給する朝ごはんレシピについてはこちらの記事で紹介しています。
ぜひ参考になさってくださいね。
まず初めにささみの時短調理から。
(作り方)
1.耐熱容器にささみを入れ、適量の塩麹と酒で下味をつける。
2.1にふんわりとラップをかけ、電子レンジ(500W)で2分30秒程度加熱し、加熱ムラをなくすため、ささみの位置を動かしながらさらに2分程度加熱する。
この調理済みのささみを保存しておくと、パッと副菜を作りたい時に重宝します。
4-1.ささみのヨーグルトサラダ
(材料)
ささみ、きゅうり、プレーンヨーグルト、カレーパウダー、すし酢
(作り方)
1.きゅうりを細切りにする。
2.ボウルに、1と食べやすくほぐしたささみ、プレーンヨーグルトを和えて、カレーパウダーとすし酢で味を整える。
4-2.ささみかぼちゃサラダ
(材料)
ささみ、かぼちゃ、牛乳、マヨネーズ、粒マスタード
(作り方)
1.耐熱容器にかぼちゃを入れて電子レンジで加熱する。
2.ボウルに、1と食べやすくほぐしたささみを入れ、適量の牛乳でのばす。
3.マヨネーズ、粒マスタード(お好みで)で味を整える。
4-3.ささみ納豆
(材料)
ささみ、納豆、刻みのり、めんつゆ
(作り方)
納豆に食べやすくほぐしたささみを合わせて、めんつゆで調味、仕上げに刻みのりをのせる。
4-4.ささみのおじや
(材料)
ささみ、小ねぎ、三つ葉、ごはん、だし汁(市販の白だしでもOK)
(作り方)
だし汁を入れた小鍋を火にかけ、ごはん、刻んだ小ねぎを入れて軽く煮込み、仕上げに三つ葉をのせる。
今回は、「子供が肉や魚を食べなくて心配」「子供がタンパク質不足になるとどうなる?」「手軽にタンパク質を補給できるレシピを知りたい」といった方に向けて、子供のスタミナを補強する速攻レシピについて書いてみました。
野菜と同じく、肉や魚などのタンパク質についても、子供の好き嫌いは変わっていきます。
食べてくれない“今”を心配するより、少しでもタンパク質の調理量を増やして、なるべく頻繁に食卓に登場させてみてください。
毎日のコツコツ摂取で、子供の元気を作っていきましょう。
大人の食事とは別に、子供の食事を用意するのはなかなか大変なこと。
効率よく幼児食を作るための取り分けのコツについてはこちらの記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
(参考文献)
厚生労働省『日本人の食事摂取基準(2020 年版)』
厚生労働省『令和元年国民健康・栄養調査報告』
『(七訂)食品80キロカロリーガイドブック』香川芳子編(女子栄養大学出版部)
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