鶏のささみはいつから?離乳食レシピが広がるたった2つの秘訣

鶏のささみはそのまま火を通すとパサパサに。
脂肪が少なくて質のいいたんぱく質が豊富な食品ですが、調理するにはちょっとしたコツがあります。

“パサパサのささみは離乳食にどう使う?”
“パサパサしていてレパートリーを広げにくい”
と感じていませんか?

この記事では、
✔︎離乳食でささみはいつから使えるの?
✔︎離乳食レシピが広がるささみの使い方を知りたい

といった方に向けて、ささみを使う時の2つの秘訣をみるとともに、簡単で美味しく仕上がるレシピを紹介しています。

 

離乳食での鶏ささみはいつから?

こんにちは、脳と心を育む栄養コンサルタントの高野( @takano_nao)です。

離乳食が始まると、10倍がゆに始まり野菜、魚、肉‥と実に色んな種類の食材と向き合いますよね。
どの食材を食べて、どれをまだ食べていないのか管理をするのはそこそこ大変。

ほかの食品と比べてですが、肉類の管理は意外にシンプルなのでは、と感じています。

鶏のささみは離乳食を食べ慣れきた中期から始めることが一般的。
まずは脂身の少ない部位から、ということで、ささみ、むね肉、もも肉、の順番で進めるのがベターです。

脂身の多い牛肉や豚肉については、離乳食後期の後半(10−11ヶ月頃)からスタートすればいいので、慌てずにじっくり進めてください。

Point
ささみは離乳食中期(生後7−8ヶ月頃)からスタート。
鶏ささみ→鶏むね→鶏ももの順番で進める。

 

鶏ささみの栄養素

では、鶏のささみの栄養素をみてみます。

✔︎必須アミノ酸(たんぱく質)のバランスがよい
✔︎ビタミンA、B1、B2、K
✔︎鉄
✔︎カルノシン
など

私たちの体はたんぱく質でできており、そのたんぱく質はアミノ酸の多くの組み合わせによって構成されています。

体内で合成されないか、合成されてもその量が少ないアミノ酸は“必須アミノ酸”と呼ばれ、毎日の食事から摂る必要があるんですね。

一般的に、肉や魚、乳製品、穀類などに含まれるたんぱく質がどれだけ優秀かというのは、その必須アミノ酸をどれだけ含むか(アミノ酸スコア)によって測られます。

このアミノ酸スコアが100に近いほどたんぱく質の“質”は良い、とされるんですね。
スコア100の食品は、牛乳、牛肉、豚肉、鶏肉、アジ、サケ、卵、プロセスチーズ、ヨーグルト、大豆など。

鶏ささみは、このアミノ酸スコアが高い上に、低脂肪でヘルシーな食品となります。鶏肉特有のうま味成分もたっぷりあるので、子どもにとっても食べやすくて嬉しいですね。

 

レシピが広がる!鶏ささみを使う時の2つの秘訣

ささみは含まれる脂肪が少ないため、パサパサしやすい、という印象があるのではないでしょうか。

でも、ひと手間であったり、ちょっとしたコツを覚えておけば、その身を柔らかく口当たりをよくすることはできるんですよね。

その秘訣を2つみていきましょう。

秘訣1:細かくたたく&刻んでからとろみづけ

鶏肉のささみやむね肉は繊維質が多い部位になります。
なので、そのまま調理すると筋があったり身が固くなったりして、大人でも噛みにくいことに。
赤ちゃんであればなおさら気をつけてあげたいですよね。

簡単にお肉を柔らかくする方法としては、包丁で“たたく”ということ。
繊維質が切れるのでぐっと食べやすくなります。

また、少し時間はかかりますが、繊維質を分解して柔らかくしてくれる“牛乳や塩麹などに浸しておく”という方法も役に立ちます。

そして、調理の仕上げのポイントは、“とろみをつける”ということ。
水溶き片栗粉でとろみをつけてもいいですし、みぞれあんのようなものを多めにストックしておいて、それをかけるとすぐに食べやすい一品になります。
 

秘訣2:ほかの食材に混ぜる

2つめの秘訣は、ささみを他の食材に混ぜて使う、ということ。

離乳食完了期まで進めば、食材をそのままの形で食べることができるようにもなりますが、離乳食後期頃までは単体でモソモソしたものは食べにくいもの。
のどに引っかかることがあるので、まだ注意が必要になります。

なので、ささみを細かく刻んだ上で、溶き卵に混ぜてオムレツにしたり、おやきや豆腐ハンバーグ、グラタンの具材に混ぜ込んだりと、できるだけ噛みやすく、食べやすいように調理してあげてくださいね。

鶏ささみを使った簡単レシピ

ここでは、少し噛めるようになってきた離乳食後期と完了期のレシピを4つ紹介していきます。

離乳食後期のささみレシピ

野菜の甘みたっぷりシチュー

(材料)
鶏ささみ 10g
じゃがいも 5g
にんじん 5g
かぼちゃ 5g
水 100ml
牛乳または粉ミルク 大さじ2−3*
(*味をみて調節してください)
片栗粉 適量

(作り方)
1.じゃがいも、にんじん、かぼちゃを5mm角にカットし下茹でをする。
2.ささみは包丁でたたき、やわらかくする。
3.小鍋に水、ささみ、野菜を入れて火にかけ、全体に火が通ったら牛乳または粉ミルクを加える。
4.最後に、水溶き片栗粉を入れてとろみをつける。

 
みぞれ親子丼

(材料)
鶏ささみ 10g
大根 20g
にら 5g
溶き卵 小さじ3
だし汁 100ml

(作り方)
1.小鍋に大根をすりおろし、にらを5mmの長さに切る。
2.ささみは包丁でたたき、やわらかくする。
3.小鍋にだし汁、ささみ、大根、にらを入れて加熱し、最後に溶き卵を流し入れて十分に加熱する。
4.水溶き片栗粉を入れてとろみをつける。

 

離乳食完了期のささみレシピ

やわらかピカタ

(材料)
鶏ささみ 15g
★塩麹 適量
溶き卵 適量
油 少量

(作り方)
1.ささみは食べやすい大きさのそぎ切りにし、塩麹に浸ける。
2.1のささみを溶き卵にくぐらせる。
3.フライパンに油を熱し、2のささみの両面を十分に焼く。

 
トースターで簡単チーズ焼き

(材料)
鶏ささみ 15g
玉ねぎ 20g
まいたけ 5g
粉チーズ 適量

(作り方)
1.玉ねぎを1cm角に切り、耐熱皿に入れて電子レンジでやわらかくなるまで加熱する。
2.ささみを包丁でたたき、細かくする。まいたけはみじん切りにする。
3.耐熱皿に玉ねぎ、ささみ、まいたけの順に乗せ、粉チーズをふる。
4.トースターで焼き色がつくまで火を通す。

 

今回は、「離乳食でささみはいつから使えるの?」「離乳食レシピが広がるささみの使い方を知りたい」といった方に向けて、ささみを使う時の2つの秘訣をみるとともに、簡単で美味しく仕上がるレシピについて書いてみました。

下処理なしで使うと、どうしても固くなってしまうささみ。
“細かくたたいてとろみをつける”“ほかの食材と混ぜる”という2つのコツを覚えておくと、どんなメニューにも対応することができます。

もちろん、幼児食や大人食でささみを使う際にも役立つので、ぜひマスターしてくださいね。

 

離乳食の目的や全体像について前もって理解しておくと不安が和らぎます。
こちらのページから離乳食の各時期の特徴についても、ぜひご確認ください。

離乳食の進め方は?

 

(参考文献)
『くらしに役立つ栄養学』新出真理監修(ナツメ社)

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高野 七緒
栄養コンサルタント/子育てアドバイザー/ライター。 育休復帰後に時短勤務を続けていましたが、仕事と家事、育児をこなすだけで体力も精神力も限界に。気持ちに余裕を持って子どもたちと関わりたい、そのために自分自身がもっと柔軟に働きたい、と思うように。 家族と自分を大事にするため個を発揮できる働き方へシフト。地方公務員として14年勤務後、食と教育の資格を複数取得し2020年からフリーに。 モットーは、“日々の何気ない食卓を子どもへの財産に変える”こと。