“好きなものはいっぱい食べるけど、嫌いなものは食べない”
子どもによく見られる食べ方ですよね。
成長に伴って、自分の食への好みがはっきりしてくると、まわりがどんなにがんばって乗せても褒めても食べない‥‼︎
栄養がきちんと摂れているか不安になるママは多いのではないでしょうか。
この記事では、
✔︎子どもに偏食があって栄養が足りているか心配
✔︎自分の手料理が栄養バランスが取れているものがわからない
✔︎栄養バランスを簡単に測れる指標を知りたい
という方に向けて、栄養バランスについての国の指針などを見ながら、よりシンプルでわかりやすい栄養バランスの測り方について紹介しています。
1.食事バランスガイドと食品群の違い
こんにちは、献立作りを不要にする栄養コンサルタントの高野( @takano_nao)です。
1985年に当時の厚生省が食生活指針を提唱し、その中で1日30品目食べるのが健康にとってよい、とされてきました。
しかし、あまりにも30という数字にとらわれすぎると実行するのが難しい上、カロリーオーバーになってしまうことが指摘され、今の指針では、30品目という数字は削除されています。
“誰にとってもわかりやすいツールを”ということで、2005年に「食事バランスガイド」ができ、摂るべき食品の量と組み合わせが示されましたが、一方で、わかりにくいという次のような声もあります。
✔︎食品のカウント(SV)が難しい
✔︎料理の区分けが難しい
✔︎自分が食べた食事をガイドに当てはめるのが難しい
など。
適切な量、いわゆる摂取カロリーを基準にした考え方なので、食品の扱い方や量についての予備知識がないと実生活にあてはめるのが難しいという場合もあるかと思います。
一方で、私たちが小さいときから目にしてきた食品群という視点があります。
食品の分類については3つ、4つ、6つとしたものがありますが、ここでは6つの食品群を挙げてみます。(どの分類も基本的な考え方は同じです)
<6つの基礎食品群>
(1群)魚・肉・卵・大豆
(2群)牛乳・乳製品・小魚類・海藻
(3群)緑黄色野菜
(4群)淡色野菜・果物
(5群)穀類・いも類・砂糖
(6群)油脂類
これは適切な量(カロリー)を基準にした食事バランスガイドとは異なり、食品の数を基準にしているわけですね。
6つの食品群から色んな種類の食品を食べるのが大切ですよ、という捉え方です。量については示されていません。
栄養バランスというのは、平面ではなく、立体でできています。
つまり、多様な食品数それぞれの上に、量が積み重なって、人それぞれに応じた適切なバランスが決まるというわけです。
この食事バランスガイドや6つの食品群のほか、“野菜は1日に350g以上摂りましょう”だったり、”塩分は1日◯g以下にしましょう”にだったり、私たちの食生活は色んな基準であふれています。
このような基準をどこかで聞いたことがある人は多いとおもいますが、そんなに多くのルールなんて毎日守るどころか考えていられない!と感じてしまいますよね。
でもご安心を。
根底にある考え方は共通しています。
“なるべく多様な食品を、適切な量で摂る”
特定の一つの食品さえ食べておけば健康的!みたいな魔法の食品なんてないんですよね。
だから、この曖昧にすら思える栄養バランスの考え方に、多くの人は悩むんだろうなぁと感じています。
2.1日15品目程度を目安に
では次に、国が定めた基準で考えるには難しいと思う場合に、食事の栄養バランスはどうやって測ればいいのか、ということについて考えていきます。
ここで、上で挙げた6つの基礎食品群の群を除いて食品だけを挙げてみると、15個に分類されることがわかります。
(6つの基礎食品群を構成する項目)
魚、肉、卵、大豆、牛乳、乳製品、小魚類、海藻、緑黄色野菜、淡色野菜、果物、穀類、いも類、砂糖、油脂類
食品群を構成する項目になるので、これらがどれくらい1日の食事に含まれているか確認することで栄養バランスの良し悪しを判断することができます。
2-1.献立の食品数を数える
では、実際に普段の食事にどれくらいの食品数が含まれるものなのか、一度数えてみましょう。これは、我が家の子どもたちが通う保育園の給食の献立表です。
一番上の1日目の献立からピックアップしてみます。
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米、砂糖、はるさめ、ごま油、ごま、ヨーグルト、卵、牛乳、鶏むね肉、生クリーム、ハム、しらす干し、ゼラチン、スキムミルク、オレンジ、チンゲンサイ、たまねぎ、もやし、もも缶、みかん缶、きゅうり、にんじん、えのきだけ、うめ干し、しそ
ーーーーー
全部で25品目になります。
同じように数えてみると、
2日目19品目
3日目26品目
4日目22品目
5日目28品目
になることがわかります。
2-2.数日の平均で栄養不足をとらえる
上でみたのは保育園の献立表なので、きっちり栄養士が必要な栄養素を算出した上で出来上がっています。給食だけでこれだけの食品数に上るので、数としては十分なわけです。
もちろん家庭では給食のような献立は出来ないですし、する必要もありません。
日によって13品目だったり、少し食材を多く使った日は20品目くらいだったり。
数日から1週間のうちで、6つの基礎食品群を構成する15項目をまんべんなく摂れていたら大丈夫と考えてみましょう。
3.成長曲線を見ながら幼児の発達を見守る
ここまでで、インプットである栄養バランスの考え方は少し理解できたのではないでしょうか。
続いては、アウトプットである発達の度合いを何でみるか?ということになりますが、これは、母子手帳をはじめ、色んなシーンで目にしたことのある「成長曲線」が便利です。
(「厚生労働省 平成22年乳幼児身体発育調査報告書(概要)」より)
参考に、女子の身長のみの成長曲線を掲載しましたが、このような指標をもとに、
・成長曲線に沿って身長や体重が伸びているか
・成長曲線に沿わずに急なカーブを描いていないか
などをみることになります。
小さいうちは定期的に健診があり、その場で医師や保健師、看護師などが直接子どもの状態を診て診察するので、何か不安なことがあれば、遠慮することなく聞いてみましょう。
今回は、子どもに偏食があったり、ママ自身の手料理が栄養バランスが取れたものかがわからない、といった方に向けて、よりシンプルでわかりやすい栄養バランスの測り方について書いてみました。
少しでも役立ててもらい、子どもへの栄養不安が減らせることを願っています。
【参考資料】
・農林水産省HP「食事バランスガイド」
http://www.maff.go.jp/j/balance_guide/
・日本医師会HP「健康になる!– 食品群」
https://www.med.or.jp/forest/health/eat/03.html
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