離乳食が終わっても、5-6歳ごろまで続く幼児食。
大人と一緒の食べ物を食べられるようになるまで、その過程はもう少し続きます。
発達とともに、あれ食べたい、これちょうだい!と自我や意思が出てくるので、食の体験もぐっと増えてきますよね。
毎日のごはん。
大人メニューと味付けをどう変えるべきなのか、薄味が良いというけれど、何を目安にすればいいのか、悩むのではないでしょうか。
この記事では、
✔︎幼児食の味付けの目安は?
✔︎幼児食の味付けは大人の半分くらいでいいの?
✔︎調味料に含まれる塩分量を知りたい
といった方に向けて、家庭でよく使う11種の調味料に含まれる塩分量を把握しながら、幼児食に望ましい薄味について説明しています。
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目次
1.幼児食の味付けも薄味が基本
こんにちは、献立作りを不要にする栄養コンサルタントの高野( @takano_nao)です。
幼児食の前半1-2歳期と、後半の3-5歳期。
時期により、噛む力や口の動きは大きく変わってくるので、一人ひとりの発達に合わせた調理が必要になってきます。
幼児食のポイントとしては
✔︎子どもが噛める形と大きさにする
こと。
離乳食での注意点と変わりません。
離乳食と比べたら、だいぶ味付けができるようになってきたけれど、薄味といっても、人により感じ方は様々。
ここではまず、子どもにとって望ましい標準の味を確認していきましょう。
1-1.幼児の食塩摂取基準
幼児が摂ってよいとされている食塩の量は次のとおり。
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
1-2歳 | 3.0g未満 | 3.0g未満 |
3-5歳 | 3.5g未満 | 3.5g未満 |
(出典:『日本人の食事摂取基準(2020年版)』より抜粋)
1-2歳で1日3.0g、3-5歳で1日3.5gとなります。
1食あたりにすると、1g未満に。
食塩1g=小さじ1/6になるので、想像以上に少ないかもしれません。
1食におかずが2品あり、均等に調味するなら0.5gずつ使うことになります。
素材の味を十分に感じられるくらいの味付けで十分なんですよね。
子どもが食べる量もその時々で変わってくるので、使う食材の量に合わせて、作る人が味見をして確認していきましょう。
1-2.既製食品の食塩相当量に注意する
朝にパンやチーズ、おやつにビスケットとジュース。
我が家でもよくあります。
このような私たちの身の回りにあふれる食品。
すでに製造過程で食塩が使われていることが実に多いんですよね。
パッケージの成分表示表にある「食塩相当量」欄。
ここをチェックしてみましょう。
先ほど見た、1日の食塩摂取基準量には、パンやハム、うどん、中華麺、ちくわといった既製品に含まれる食塩もカウントされるんですよね。
なので、調理で使う食塩はほんの少し、ということに。
大人が食べて、ちょっと薄いなというくらいの味付けを目指していきましょう。
2.味付けは大人の半分⁈調味料11種の目安
ここでは、家庭でよく使われる11種の調味料の食塩1gまたは1食に適した食塩量、を写真にしてみました。
1食のうちで、複数の調味料を使う場合にはそれぞれ組み合わせて1gになるように調節してください。
メーカーにより、また商品によって、含まれる塩分量は異なります。
なので、あくまでも参考程度に把握しながら、実際には毎回味見をして「ちょっと薄いかなぁ~」という着地点を見つけてくださいね。
2-1.塩
食塩1g=小さじ1/6
精製された塩より、カルシウムやマグネシウム、カリウムなどのミネラルを豊富に含む天然塩がおすすめです。
我が家では、料理に使う塩は海塩や岩塩。
写真のとおり、成分表を見ると、食塩相当量が100g当たり72.6gであるので、精製塩のとがった塩味ではなく、少し甘みも感じられるまろやかな塩味になります。
カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが多く含まれていることがわかりますよね。
砂糖とは違い、塩は人間にとって必要不可欠な栄養素。
不足しがちなミネラルも効率よくとっていきましょう。
2-2.しょうゆ
食塩1g=小さじ1
2-3.味噌
食塩1g=小さじ1+2/3
2-4.マヨネーズ
●1食の適量
食塩0.06g=小さじ1
マヨネーズは塩分量は少ないですが、脂質を多く含むんですね。
なので、1食あたり小さじ1くらいを目安に、炒め物やディップなどに使っていきましょう。
2-5.ケチャップ
食塩1g=小さじ5
2-6.中濃ソース
食塩1g=小さじ3
スパイスが含まれるので、人によっては辛味の刺激が強いかもしれません。
少し風味を付けるなど、うまく利用していきましょう。
2-7.めんつゆ(3倍濃縮)
食塩1g=小さじ1+3/5
2-8.ぽん酢
食塩1g=小さじ2+1/5
2-9.和風だし
●1食の適量
食塩0.15g=小さじ1(100mlに対して)
顆粒やパックの和風だしにも食塩は添加されているものが多いんですよね。
味噌汁にする場合は、ここに味噌が入ることになりますので、全体としての味を確認してください。
2-10.洋風だし
●1食の適量
食塩0.7g=コンソメの素 小さじ1/2(100mlに対して)
2-11.中華だし
●1食の適量
食塩0.7g=鶏ガラスープの素 小さじ3/5(100mlに対して)
3.塩分を摂りすぎたらカリウムを多く含む食品を
献立に使う塩分に気をつかっていても、つい濃くなってしまったり、あまりに気にしすぎてしんどくなったりすることもありますよね。
ご飯は何よりも楽しく食べるのが一番。
あまり味付けに気をとられてしまうと、せっかくのおうちごはんを楽しめなくなってしまいます。
そこで。
摂りすぎた塩分をスムーズに体の外に排出してくれるのがカリウム。
味付けにピリピリするのを減らすために、普段からカリウムを多く含む食品を意識しておきましょう。
カリウムは水溶性なので、煮てしまうと約30%が失われてしまいます。
生食できるものはそのまま食べるか、薄味のスープにして効率よくカリウムを摂っていきたいですね。
また、カリウムは摂りすぎても自然に体外に排出されるので、過剰症を心配しなくても大丈夫。
塩分過多になりがちな大人もカリウムをしっかり摂る必要がありますので、子どもだけでなく親子一緒に美味しくとっていきましょう。
今回は、「幼児食の味付けの目安は?」「幼児食の味付けは大人の半分くらいでいいの?」「調味料に含まれる塩分量を知りたい」といった方に向けて、家庭でよく使う11種の調味料に含まれる塩分量を把握しながら、幼児食にとって望ましい薄味について書いてみました。
これで調味の不安が少しでもなくなり、自信をもって食事作りに向き合ってもらえたら嬉しいです。
味覚が発達途中の子ども。
濃い味に慣れてしまうと、薄味に戻すのが大変にもなりますので、今の時期に味覚の基盤をじっくり作っていきましょう。
標準的な味付けを知りたい方、どんなメニューを作ればいいのか悩む方にはこちらの記事を。
シンプルなレシピも多いので、自分にぴったり合う献立を見つけてくださいね。
(参考文献)
厚生労働省『日本人の食事摂取基準(2020年版)』
『(七訂)食品成分表2018』香川明夫監修(女子栄養大学出版部)
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