栄養ある魚を食べさせたいと願っても、好き嫌いがはっきりしてきた子どもに食べてもらうのは至難の業。
子どもがイヤだ、というものを無理に押し付けるのも少し違う気がする‥とも感じますよね。
この記事では、
✔︎子どもの魚嫌いを克服したい
✔︎やっぱり魚って食べた方がいいの?
✔︎魚をもっと食卓に出したい
といった方に向けて、魚嫌いの子どもでも美味しく栄養をとれる時短調理のテクニックを紹介しています。
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目次
1.子どもが魚を嫌う理由
こんにちは、献立作りを不要にする栄養コンサルタントの高野( @takano_nao)です。
一般的に、小さい子どもが魚を嫌う理由としては次のようなものが挙げられます。
✔︎臭いが独特・生臭い
✔︎骨がある
✔︎食感が食べにくい
✔︎調理のレパートリーが少ない
(各参考資料より抜粋)
我が家では、長男は離乳食の時には魚をよく食べてくれていましたが、自分一人で上手に食べられるようになり、かつ食べ物への好みが出てくる2歳頃以降、魚嫌いになった時期がありました。
“それまではパクパク食べていたのに残念”
“何とかして食べさせる方法はないか”
“日々、家事にかけられる時間が限られる中、栄養ある魚も食べてほしいのに”
‥とそれからしばらくはよく気を揉んでましたね。
魚の臭みをなるべく消してみたり、食べやすいように味つけを変えたり。
どうしても食べない場合は、つみれやハンバーグなどに練りこんだりと、あの手この手で向き合っていました。
それが。
2歳の終わりから保育園に通い出しましたが、園の活動の中でトマトやなすなど食べ物を育てたり、クッキングとして簡単な野菜の和え物やピザなどを自分たちで作ったり、まわりの友だちと一緒に給食を食べる中で、長男の意識が変わるように。
「今日の夜ご飯はお魚だけど、保育園で食べられているし、おうちでも食べてみよっか!」
と声をかけながら、食べたー!という時が来たんです。
子どもの偏食、好き嫌いの原因には色んな要素が関わっていますが、それまで嫌いだったものがある日突然食べられるようになる、ということもあります。
私も、どうせ食べないだろうから作らなくてもいいかな‥と過去に思ったことがありますが、それでも、好き嫌い問わず、食卓に出し続けることが大切。
完全に食べなくなった、というわけではないので、
・いつも食卓にある
・家族が美味しそうに食べている
という風景を日々目にすることが、食への関心を育てる上で必要だと考えています。
2.魚の栄養素の特徴
魚はとっても良質なたんぱく質を含む食材。
それに加えて、丈夫な骨を作るのに不可欠なカルシウムとビタミンD、タウリンや鉄、そのほか多くのビタミン類などの栄養素を含むのが魚介類の特徴です。
中でも、DHAとEPAという栄養素。
一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
これらは五大栄養素である脂質の、脂肪酸の一種ですが、次のように、私たちの健康にとってとても重要な働きをしてくれています。
✔︎DHA
脳の神経細胞を活性化し、学習能力や記憶力をアップさせる働きがあります。
新しいことを覚える、自ら考えて答えを導き出す、という学習に必須の能力。
そのため、昔から“魚を食べると頭がよくなる”と言われているんですね。
✔︎EPA
細胞の健康を保ち、ホルモンの原料などになるコレステロール。
EPAは、その働きのバランスを上手く調節してくれる善玉コレステロールを増やし、血液をサラサラにする効果があります。
血液や血管の健康や、食べたものの代謝などに大きく関わるので必須の栄養素です。
このように、成長期の子どもにとって、食べて嬉しい多くの効果が。
毎日少しずつでも取り入れたいものです。
3.1日に食べたい魚の目安量
そんな栄養満点の魚ですが、1日にどれくらいの量を食べればいいのか、気になりますよね。
次に年齢別の目安量を紹介しますので、ぜひイメージとして持っておいてください。
◾︎3〜7歳
30〜40g
(鮭30g+しらす干し5g)
他の例として、
さんま20g
しらす干し10g
ツナ缶5g
の計35gといった組み合わせでOK。
量をグラムで書くと、なかなかどれくらいのものなのかイメージがわきにくいと思いますが、写真で見ておくと、魚の種類が変わってもおおよその量が把握できるのではないでしょうか。
(厳密にいうと、魚の種類によって、同量でも含まれるたんぱく質の量やカロリーは変わってきますが、まずは少量でも魚を手軽に献立に取り入れることの方が大切だと考えています)
◾︎8〜11歳
60g
(鮭55g+しらす干し5g)
◾︎12〜14歳
80g
(鮭75g+しらす干し5g)
理想は毎日魚を食べることができればいいですが、それも難しいもの。
なので、いくつかの種類の魚をちょこちょこ献立に足すという工夫でいけば、意外に目安量をとれることになります。
4.魚の栄養をとる時短調理テク4選
では次に、忙しい毎日、手軽に魚の栄養をとれるコツを紹介します。
魚料理というと、
・単体で焼く
・単体で煮る
・単体で揚げる
のようなイメージではないでしょうか。
私もそうですが、魚の下処理や揚げ物にするのは時間がかかるので、かなりの負担になりますよね。
そこで、下処理なしの、献立にプラスするだけの方法がこちら。
どれもとっても簡単で美味しい&調理がストレスフリーなのでぜひ参考にしてみてください。
4-1.刺身を味噌汁にイン
我が家でよく作るのが、魚入りのお味噌汁。
それも骨取り不要のお刺身を使っています。
値段を考えるとちょっと割に合わないと感じるかもしれませんが、大人はお刺身として、魚嫌いの子どもはお味噌汁で、というように食べ分けています。
味噌汁としても、肉や魚などのたんぱく質が入ることでうま味がさらにアップ。とても美味しく飲めるんですよね。
なので、魚嫌いかな?と思っていた子ども本人もびっくりするくらいに、お味噌汁に味の深みが出て食べられると思います。
4-2.だしに煮干しを加える
続いては、味噌汁のだしに煮干しを使う、というもの。
我が家では、普段お味噌汁を作る時には、うま味の多い昆布とかつお節を使っていますが、煮干しでだしをとれば魚の栄養を丸ごととることができます。
煮干しの頭とはらわたを取り除けば、臭みと苦味も除けるので子どもでも食べやすい味に。
このほか、数種類の魚を削って粉にし、だしとして使える商品もあります。
これだとお味噌汁やお好み焼きなどに加えるだけでいいので、手軽に栄養をとることができるんです。
4-3.缶詰を利用
3つめは、スープや炒め物、炊き込みご飯などに魚の缶詰を利用するというもの。
少し魚の形を残して調理するのもよし、魚の形は残さずに混ぜて使ってもよし、ということで、魚と認識したら食べない子どもでも気にならずに食べられるかもしれません。
缶詰の魚は骨まで食べることができるので、たっぷりカルシウムが摂れて嬉しいですね。
4-4.しらす干しを利用
最後は、ご飯やおにぎりにしらす干しを混ぜる、というもの。
風味を加えるため、ごま油や細かく切った大葉などと一緒に混ぜ合わせると美味しいんです。
洋風にする場合は、マヨネーズとともにサンドイッチに挟む、というのでも美味しく食べられます。
今回は、「子どもの魚嫌いを克服したい」「やっぱり魚って食べた方がいいの?」「魚をもっと食卓に出したい」といった方に向けて、魚嫌いの子どもでも美味しく栄養をとれる時短調理のテクニックについて書いてみました。
一時、食べ物の好き嫌いが出ても、その後に変わる可能性は十分にあります。
料理する側としてはなかなか大変ですが、あれこれ方法を試しながら気長に付き合うのもポイントですね。
長い長い目でみていきましょう!
(参考資料)
『成功する子は食べ物が9割』宇野薫/細川モモ監修(主婦の友社)
『子どもに効く栄養学』中村丁次/牧野直子監修(日本文芸社)
料理サイト「Nadia(ナディア)」
情報サイト「魚の食べ方探求」
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