【肉魚編】知ってお得!タンパク質の1日の適量を学んで嬉しさ倍増

タンパク質は私たちの体を作るもの。
だから、なるべくたくさん食べた方がいい ー

そう考えている人もいるのではないでしょうか。
しかし、いくら体に役立つ食材とはいえ、食べ過ぎると逆効果になるんですよね。

この記事では、
✔︎1日にどれくらいの肉や魚を食べればいいのか
✔︎肉や魚を食べ過ぎると何が問題になるのか

と疑問に思う方に向けて、1日にとるべき肉と魚の目安の量を知るとともに、タンパク質を摂りすぎると生じる弊害について書いています。



1.点数で1日の適量を知る

こんにちは、献立作りを不要にする栄養コンサルタントの高野( @takano_nao)です。

栄養バランスを考えるときの指標として、食品を栄養的特徴ごとに3つ、4つ、6つに分けた“食品群”があるというのは、多くの人が知っているところではないでしょうか。

各群によって、栄養的な働きや役割が変わるので、バランスをよくするには全ての群からまんべんなく食品を取りましょう、ということですね。

でも、いざ自分に必要な量や栄養素の量などを計算しようとする時に、
✔︎牛肉100gにタンパク質がどれくらい含まれているか
✔︎体重1kgあたりに必要なタンパク質は何gか

といったような計算が必要になってきて、少しややこしいなぁと感じるのは私だけではないと思います。

そこで、食品の1日の摂取適量を把握するにあたって、私がとてもわかりやすいと思うのが、女子栄養大学で考案された「四群点数法」です。

(参考)
一般社団法人 栄養検定協会「四群点数法とは」

この方法では、あらゆる食品を1点=80kcalとおき、それを自身の日常の身体活動レベルと性別、年齢からみた場合に、1日に何点必要か、ということを把握します。

次に身体活動レベルの区分と、レベルⅡにおける肉魚の摂取点数を挙げてみます。

◾︎15〜69歳における各身体活動レベルの活動内容

レベルⅠ(低い)生活の大部分が座位で、静的な活動が中心
レベルⅡ(ふつう)座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは通勤・買い物・家事、軽いスポーツ等のいずれかを含む場合
レベルⅢ(高い)移動や立位の多い仕事への従事者、あるいはスポーツ等余暇における活発な運動習慣を持っている場合

一般社団法人 栄養検定協会「身体活動レベル」から抜粋して独自作成)

◾︎身体活動レベルⅡにおける肉魚の摂取点数
(1人1日あたり)

年齢
3-5歳1.01.0
6-7歳1.51.5
8-9歳2.51.5
10-11歳3.02.0
12-17歳3.02.5
18-69歳3.02.0

一般社団法人 栄養検定協会「身体活動レベル」から抜粋して独自作成)

この基準によると、1日にとるタンパク質の適量は
・6歳の男の子であれば1.5点
・15歳の女の子であれば2.5点
・30歳の男性であれば3.0点
ということがわかります。

2.タンパク質の1日の適量を知る

タンパク質は、筋肉や内臓、体を作っている細胞そのものになるほか、体の機能を保ってくれる酵素やホルモン、免疫物質などの材料になるもの。
私たちの体それ自体を作っているわけですね。

そして、体の細胞は一定の周期で古くなったものから新しいものへと入れ替わるので、毎日少しずつタンパク質を摂る必要がある、ということになります。

では、自分に必要なタンパク質は一体どれくらいになるのでしょうか。
これを把握するには、食品1点あたりの分量のイメージを持つことが重要に。
次の表でその概要をつかんでみてください。

肉魚についての1点=80kcalの分量は次のとおり。
どれを選んでも1つで80kcalとなります。

◾︎牛肉
・牛ばら20g
・リブロース20g
・サーロイン25g
・牛ひき肉29g
・牛もも40−50g
・牛ヒレ40−60g

◾︎豚肉
・豚ばら20g
・豚ロース30g
・豚ひき肉35g
・豚もも45g
・豚ヒレ60g

◾︎鶏肉(皮なし)
・鶏ひき肉45g
・鶏もも65g
・鶏むね70g
・鶏レバー70g
・ささみ75g

◾︎肉加工品
・ベーコン20g
・ソーセージ25g
・生ハム30g
・ロースハム40g
・ローストビーフ40g
・焼き豚45g

◾︎魚介類
・うなぎ蒲焼き27g
・さんま27g
・はまち30g
・マサバ30g
・アトランティックサーモン35g
・しらす干し40g
・さわら45g
・釜揚げしらす50g
・かつお50g
・マダイ55g
・シロサケ60g



・本マグロ65g
・ひらめ80g
・マダラ100g
・マダコ80g
・ホタテガイ90g
・バナメイエビ90g
・ヤリイカ95g

これらが食品1点あたりの量となるので、すでにみた自分に必要な点数の数を選べばよいということになります。

先程の例でみると、
6歳の男の子であれば1日の適量は1.5点なので
昼食に、ささみ37g(0.5点)
夕食に、さんま27g(1.0点)

15歳の女の子であれば1日の適量は2.5点なので
昼食に、 牛ひき肉58g(2.0点)
夕食に、マグロ33g(0.5点)

30歳の男性であれば1日の適量は3.0点なので
朝食に、ロースハム20g(0.5点)
昼食に、焼き豚68g(1.5点)
夕食に、かつお50g(1.0点)

のように、自分の必要摂取量を点数でとらえると簡単に把握することができます。

写真のサンプルをあげていますが、人によっては、今まで食べていた量よりも少ない感じがするのではないでしょうか。
1日にとるべき目安量はそれほど多くなくていいんだ、ということがわかれば少し安心できますよね。

そして、1日の中で肉だけから適量の点数をとるよりも、上の例で示したように、肉と魚両方から点数を満たす方が栄養バランスとしてはよくなるわけです。




3.タンパク質を摂りすぎると起こる弊害

では、次にタンパク質を摂りすぎてしまうと、体にどんな悪影響があるのかをみてみます。

国においては、タンパク質の摂取上限値を設けていませんが、極端に摂りすぎてしまうと次のようなことを招く可能性がある、と言われています。
(科学的根拠のないものもありますが、過去の研究からは、これらが起こりうる可能性が示唆されています)

✔︎腎臓に負担をかける
摂りすぎたタンパク質は、脂肪として蓄えられるほか、尿となって排出されるため、尿を作る腎臓に負担がかかることになります。
慢性的に腎臓に負担がかかりすぎると腎臓病を引き起こす可能性も出てくるんですね。

✔︎カルシウムの排出が増える
タンパク質を摂りすぎると体内が酸性に働き、それを元に戻すために骨からカルシウムが利用され、尿とともに体外へ出ていきます。
これが「骨粗しょう症」を招く可能性があると言われています。

✔︎高カロリーのため肥満になる
肉や魚の動物性タンパク質には脂肪も多く含まれているもの。
なので、摂りすぎると体内に溜まっていき肥満を招いてしまいます。

✔︎腸内環境を乱す
タンパク質は窒素を含んでいますが、それが腸内にある悪玉菌のエサになってしまうため、過剰に摂取すると悪玉菌が増えて腸内環境のバランスを乱すことになります。

このようなことが起こりうると知っておくだけでも食事への心構えが変わってきますよね。
一般的に健康によいと考えられている食品でも、度がすぎるとマイナスの結果に。
何でも程よいバランスが大切なんだなと考えさせられます。

4.空いた時間を副菜作りに活用

肉魚の1日の適量を知ると、毎日時間をかけて主菜をがっつり作らなくてもいいんだ、ということがわかるのではないでしょうか。

私は昔から料理に苦手意識がありましたが、“主菜”というと、何だか献立の主役みたいなイメージがあって、以前から“きちんと見栄えのするものを”とか、“食べ応えのあるものを”作らないといけないように考えてしまい、結婚後は相当辛い思いをしてきました。

料理上手な人にとっては、なんの苦もなくできることでも、料理嫌いだったり、調理時間がほとんど取れない人にとっては、主菜も副菜も何を用意するかは大きな悩みのタネ。

主菜作りが10分短縮できれば、その時間を副菜作りに当てられますよね。
平日夜の10分は、育児と家事に追われるママにとっては、うるっとするくらいに嬉しいもの。

10分あれば、簡単なサラダや汁物が作れるので、品数を増やせます。
ぜひ貴重な時間を有効に使っていきましょう。

今回は、「1日にどれくらいの肉や魚を食べればいいのか」「肉や魚を食べ過ぎると何が問題になるのか」と疑問に思う方に向けて、1日にとるべき肉と魚の目安の量を知るとともに、タンパク質を摂りすぎると生じる弊害について書いてみました。

細かな数字が出てきて、最初は少し頭を使うかもしれませんが、適量のイメージに慣れてくると大体これくらいでOKかな、とわかってきます。

最後に、私がこの記事で言いたかったことは一つ。
“適量を知れば、主菜はそれほど気合いを入れて作らなくていい”
ということ。

時間がない毎日、ママにも家族にも嬉しい献立で笑っていきましょう!


当記事については、特段の食事制限がない健康な方を対象にした内容となっております。
腎臓病など特定の病気により、食事コントロールが必要な方については、かかりつけ医師の適切な判断のもとで食事を摂っていただくようお願いいたします。

(参考文献)
『(七訂)食品80キロカロリーガイドブック』香川芳子編(女子栄養大学出版部)
『バランスのよい食事ガイド なにをどれだけ食べたらいいの?』香川芳子監修(女子栄養大学出版部)
『最新版 知っておきたい栄養学』白鳥早奈英(学研プラス)

ABOUTこの記事をかいた人

栄養コンサルタント/ライター。 育児復帰後に時短勤務を続けていましたが、仕事と家事、育児をこなすだけで体力も精神力も限界に。気持ちに余裕を持って子どもたちと関わりたい、そのために自分自身がもっと柔軟に働きたい、と思うように。 家族と自分を大事にするため個を発揮できる働き方へシフト。地方公務員として14年勤務後、複数の食資格を取得し2019年から異分野でフリーに。 モットーは、“日々の何気ない食卓を子どもへの財産に変える”こと。