“私たちの体と心は食べたもので作られている”
そう理解していても、本当にそうなの?と実感としてわかないこともあるのではないでしょうか。
食べ物から取り入れた栄養素は、私たちの体内のすみずみにまで運ばれて、そこで老廃物ととってかわる新陳代謝が行われています。
なので、目でははっきりとは分かりませんが、数日〜数ヶ月経てば、細胞レベルで私たちは新しい身体に入れ替わっているんですよね。
特に新陳代謝が盛んな子どもにとって、毎日の食事内容は心身の成長に直結するもの。
この記事では、
✔︎成長期に必要な栄養素は?
✔︎食品が多すぎて何を食べさせていいかわからない
といった方に向けて、子どもの成長に不可欠な4つの推し栄養素を押さえながら、意識して使いたい食材について紹介しています。
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目次
1.栄養が不足したらどうなるの?
こんにちは、献立作りを不要にする栄養コンサルタントの高野( @takano_nao)です。
毎日それなりに食べていると、自分が、家族が栄養不足になってるかも‥とは考えにくいかもしれません。
ですが、栄養不足で引き起こされる症状を見てみると、これまで性格や能力の問題だと思っていたこと、原因がわからなかったことが栄養不足が原因で引き起こされていることもあるんですよね。
この機会に、栄養不足による症状をしっかり確認しておきましょう。
●皮膚炎
●記憶力や集中力が低下
●頭痛や脱力感
●やる気が出ない
●骨が弱くなる
●貧血
●免疫力が低下
●発達の遅れ
など
“かゆみがあるのは体質が原因”
“やる気が出ないのは性格だから”
“モノを覚えられないのは能力の問題”
そう決めつけてしまう前に、一度、日々の食事を見直してみるのも一つ。
もちろん食事だけでこのような症状が出ているわけではありませんが、食事を変えると改善されることがあるのも事実なんですよね。
たくさんの種類がある栄養素ですが、それらが不足した時に見られる影響と対応についてはこちらの記事でまとめてありますので、よければ参考になさってください。
2.強化したい!成長期に必要な栄養素
ここでは、成長期に特に意識して摂りたい4つの栄養素についてご紹介します。
前提として、この栄養素だけが大事、というわけではなく、栄養素はチームで働くことでそのパワーが発揮されます。
その上で、これら4つの栄養素を意識して摂ることで、ほかの栄養素もまんべんなく摂取する、という考え方に立っています。
成長期に必要な“推し”の栄養素と、それぞれ不足した場合にみられる症状を挙げていますので、気になる症状がある方は、いくつ当てはまるかチェックしてみてください。
2-1.推し栄養素1:鉄
まず1つめの推し栄養素は、鉄。
子どもも大人も不足しがちな鉄ですが、成長期の子どもにとっては重要すぎる栄養素となります。
不足したら次のような症状があるんですね。
●疲れやすい(貧血)
●勉強が理解しにくい
●筋肉が増えない
●肥満になる
●イライラする
など
症状をみると、え?それ鉄が関係してくるの?と思われるかもしれません。
「太りがちなのは単に食べすぎや運動不足が原因だと思っていた」
「怒りっぽい性格だと思っていた」
「やる気が出ないのはしょうがないと思っていた」
そのような印象を持っていたら、一度鉄を強化してみるのも一つです。
鉄を多く含む食材ばかりを使うのも難しかったりするので、子どもの好みに合わせて、毎日コツコツ摂っていきましょう。
鉄不足が気になる方にはこちらの記事も参考になるかと思います。
時間がなくても手軽に鉄を補える方法について紹介していますので、よければご覧になってください。
2-2.推し栄養素2:亜鉛
2つめの推し栄養素は、亜鉛。
身長と免疫力、味覚の発達の要となる栄養素となります。
妊娠中から、亜鉛は赤ちゃんの味覚の発達に影響する、と耳にしてきた人も多いかと思いますが、亜鉛は体内の200種以上もの酵素の働きに関わっているんですよね。
それだけ健やかな成長には欠かせない栄養素となります。
●皮膚トラブルが起きる
●疲れやすい(貧血)
●背が伸びない
●味覚に異常を感じる
●風邪をひきやすい
●第二次性徴が遅れる
など
身長を伸ばすにはカルシウム!というイメージがあるかもしれませんが、亜鉛は成長ホルモンの分泌や骨代謝、体を作るたんぱく質の代謝にも関わっています。
体を大きく、強くしたい!と考える場合には、ぜひ亜鉛の摂取量についても意識してみてください。
亜鉛は水溶性のため、汁物などにして効率よく摂るのがベター。
また、体にためておくことができないので、毎日コツコツ摂ることがポイントになります。
2-3.推し栄養素3:ビタミンA
続いて、3つめの推し栄養素は、ビタミンAです。
皮膚と粘膜のビタミンと言われていますね。
欠乏症は次のとおり。
●目に異常を感じる
●皮膚がカサカサになる
●風邪をひきやすい
●けがが治りにくい
など
ビタミンAは視力や皮膚、内臓の粘膜の健康に欠かせないものとなります。
体内に細菌やウイルスが入ってくるのを防ぐ働きをするほか、細胞分化にも関わる働きが。
脂溶性ビタミンとなるので、油やバターと一緒に調理したり、肉や魚と一緒に食べたりすると吸収率が高まります。
2-4.推し栄養素4:ビタミンD
最後、4つめの推し栄養素は、ビタミンDです。
骨や筋肉の成長、免疫機能の維持、脳の健康などに作用する栄養素となります。
●骨が弱くなる
●筋力が弱くなる
●風邪をひきやすい
●落ち込みやすい
など
骨の成長にはカルシウムほか、ビタミンD、ビタミンK、マグネシウム、リンなど、多くの栄養素が関わりあっています。
一つの栄養素だけではなく、色んな栄養素を同時にとらないと効果が半減することになるんですよね。
また、ビタミンDは免疫力アップやがん予防、記憶力の維持、心の健康に関わる働きも。
体も心も元気にしてくれる栄養素なので、不足することなく摂っていきましょう。
ビタミンDは太陽にあたることで皮膚からも合成されるので、紫外線対策を行いながらも、必要な範囲でおひさまに当たる時間も意識したいですね。
3.まとめ:成長を伸ばす推しごはんとは
これまで、推し栄養素として4つの視点から見てきましたが、子どもの成長を支えるのに食べ物は本当に大事、ということがお分かりいただけたのではないでしょうか。
推し栄養素を強化する食材をまとめると、次のとおり。
もちろん1日に全て摂ることは難しいので、数日〜1週間の間に使えているかどうか、確認してみてくださいね。
【2】さけ/しらす干しなどの魚類
【3】卵
【4】豆類
【5】緑黄色野菜
【6】果物
【7】乳製品
【8】すりごま
【9】ごはん/うどんなどの炭水化物
【10】オリーブオイル/ごま油/バター
10個めの項目には、普段使いする油脂類から健康効果が高くて使いやすいオリーブオイル、ごま油、バターの3つをチョイスしています。
毎日献立を考えるのは大変なので、我が家では強化したい食材をパターン化、ルーティン化しています。
✔︎ご飯にしらす干しやすりごまをかける
✔︎子どもが好きなアスパラガスのベーコン炒めやスティックにんじんなどを定番メニューにする
✔︎高野豆腐を玉子とじにする
✔︎チャーハンにパルメザンチーズをかける
といったシンプルな工夫を重ねていけば十分。
身体も心も一気には変わりません。
使う食材を少しずつ変えて、数週間以上、様子を見てみてくださいね。
いかがでしたでしょうか。
今回は「成長期に必要な栄養素はなに?」「食品が多すぎて何を食べさせていいかわからない」といった方に向けて、子どもの成長に不可欠な4つの推し栄養素を押さえながら、意識して使いたい食材について書いてみました。
毎日のご飯を作るママやパパが、成長期に必要な栄養素を知っているかどうか、その重要性をどれほど認識しているかは、子どもの発達に不可欠ですし、大きな投資でもあるんですよね。
食事は大事なこととはわかっているけれど、なかなか難しい‥という場合でも心配しなくて大丈夫です。
何を食べさせよう、と考えた時に、必要な食材が思い浮かんで一つ一つ取り入れていけたらオッケーと考えていきましょう。
忙しい朝でも5−10分でできる!おすすめ朝ごはんについてはこちらの記事で紹介しています。
体と心を気持ちよくスタートさせていきましょう。
(参考文献)
『からだのための食材大全』池上文雄・加藤光敏・河野博・三浦理代・山本謙治監修(NHK出版)
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