どんな影響が?子どもの栄養不足が心配になる時にできる2つの工夫

離乳食の時から偏食があったし、好き嫌いが多い
これまで魚を食べられていたのに最近食べなくなった
野菜全般だめ

など、思うように子どもが食べないことで悩むママは多いと思います。

この記事では、
✔︎子どもが小食だけど大丈夫?
✔︎ひどい偏食があるけどどうしたらいいの?
✔︎栄養不足を改善するには?

といった方に向けて、栄養素が不足した場合における影響を把握するとともに、子どもの栄養不足が心配になる時にできる2つの工夫について紹介しています。



1.子どもの栄養不足にはどんな影響があるの?

こんにちは、献立作りを不要にする栄養コンサルタントの高野( @takano_nao)です。

子どもがきちんと栄養を摂れているかどうかは気になりますよね。
あれこれ栄養バランスを考えて作っても、食べてくれるかは別問題。

栄養不足が問題なのは何となーくわかるけど、具体的にどんな症状が出るものなのかはわかりにくいですよね。

まずはじめに、主な6つの栄養素について、それらが不足した場合に見られる症状についてみていきます。

1−1.糖質が不足したら

糖質はいったいどれだけ私たちに必要でしょうか。

糖質の摂取基準としては、年齢や性別に関わらず、1日の総エネルギーの50−60%を糖質から摂る必要があるとされています。
大人も子どもも食事の半分以上を、ご飯やパン、うどんなどの炭水化物からとる、ということですね。

糖質の一番の働きとしては、脳や神経系のエネルギー源になる、ということ。
なので、糖質が不足すると、それらの働きが落ちることになるので、集中力や思考力が落ちたり、イライラしてしまうことに。

朝ごはんが大切だと言われるのも、寝起きの脳や体を動かすのに不可欠だから、ということなんですね。

最近は“糖質オフ”が流行っていますが、成長期の子どもにとっては、成長不良にもつながる危険なこと。

必要不可欠なエネルギー源が足りないことによって、やせ過ぎる、体力がなく疲れやすくなる、発達に遅れが生じる、といったことも引き起こしてしまいます。

1−2.食物繊維が不足したら

続いては、腸の中をきれいにしてくれる食物繊維。
次の2つに分類されます。

✔︎水溶性食物繊維
(豆類・海藻類・こんにゃく・果物など)
水分を含ませて便をやわらかくし排便をスムーズにしたり、血管を傷つけてしまう食後血糖の上昇を抑える働きがあります。

✔︎不溶性食物繊維
(玄米・根菜・きのこ類・バナナなど)
有害物質を吸い込んで、便のかさを増やして腸を刺激、排便を促したり、腸内の善玉菌を増やす働きがあります。

食物繊維が不足すると、排便がスムーズにいかなくなることにより便秘になったり、食事に満腹感が得られず食べすぎてしまったり
また、有害物質が腸内にたまりやすくなるので、大腸がんの原因にもなる可能性があるんですね。

1−3.たんぱく質が不足したら

たんぱく質は、体の筋肉や骨、内臓、血液、皮膚、髪の毛などの細胞になるとともに、ホルモンや酵素などの材料になり、まさに私たちの体そのものを作ってくれています。

また、体のエネルギー源である糖質や脂質が不足すると、代わりにたんぱく質がエネルギー源になって助けてくれるんですよね。

そのような、大きく発育する成長期には欠かせないたんぱく質が不足してしまうと、成長ホルモンの分泌がスムーズにいかなくなり体が作られず、成長不良にもつながってしまいます。
また、筋肉量が落ちることで体力が減り疲れの原因になったり、免疫力が落ちるので病気にもかかりやすくなるんですね。

1−4.脂質が不足したら

続いては、脂質です。
一般的に、脂質と聞くと、“脂質=太る”みたいな悪いイメージの方が大きいかもしれません。
ですが、炭水化物、たんぱく質と並ぶ3大栄養素の一つなんですね。

脂質の働きとしては、1gあたり9kcalと高いエネルギー源になるほか、細胞膜や核膜、ホルモンを作る材料になります。

あまり知られていないかもしれませんが、脳の約60%が脂質からできているんです。情報伝達を行う神経伝達細胞を作っているので、ものを考えたりしゃべったり、記憶したりする働きをしているんですね。

脂質には色んな種類がありますが、肉やバター、チーズなどからの脂質は控え、魚やオリーブ油、菜種油、ごま油、アマニ油、大豆などからの脂質は体にとって良い、と聞いたことがあるのではないでしょうか。
どんな食品から脂質を摂るか、ということが脳細胞の質に影響することになるんですね。

そんな、脳の機能を保ってくれている大切な脂質ですが、不足して見られる症状は次のとおり。

✔︎細胞膜や血管が弱くなる
✔︎脳の発達に遅れが生じる
✔︎脂溶性ビタミンの吸収が悪くなる
✔︎肌の乾燥や皮膚炎、湿疹を引き起こす
✔︎エネルギー不足となり疲れやすくなる

確かに、脂質はエネルギーが高いので、摂り過ぎたら肥満になり生活習慣病を引き起こす原因になります。

しかし、子どもの場合においては、脳の発達や体の調節に大きな影響を与えるものなので、適切な量を摂れるよう気にとめていきたいですね。

1−5.ビタミン類が不足したら

続いては、ビタミン類です。
色んな食品に含まれるものですが、主には野菜や果物から摂っているものですね。

働きとしては、糖質やたんぱく質、脂質の代謝や吸収をスムーズにしてくれるほか、次のような重要な働きがあります。

✔︎目や皮膚、内臓の粘膜を正常に保つ
✔︎有害物質から体を守り、免疫力を高める
✔︎強い骨を作る
✔︎血液を作る

など

不足すれば、これら体の重要な機能が働かなくなる恐れが。
3大栄養素に比べたら必要量は少ないですが、体を維持し、体調を整えるには不可欠なんですね。

ビタミンの種類としては、摂っても数時間で排出される水溶性のビタミンB群とビタミンC、体内に蓄積する性質を持つ脂溶性のビタミンA、D、E、Kがあるので、不足もせず、とりすぎにもならないように適量を毎日摂る必要があります。

1−6.ミネラルが不足したら

最後はミネラルです。
体を構成する材料になったり、ほかの栄養素の働きをサポートしています。

体内には5%しか存在しませんが、骨や細胞膜を作る、体内の水分量を調節する、血液やホルモンを作る、といった健康維持には欠かせない働きをしてくれています。

ミネラルは体内では作り出すことができないので、食事から摂るのが必須なんですよね。
そうはいっても、摂取量が多くても少なくても体調に悪影響を及ぼすのがミネラル。

それぞれの症状を見てみます。

<ミネラルが不足した場合の症状>
✔︎骨や歯、関節が弱くなる
✔︎倦怠感、食欲不振、吐き気
✔︎貧血
✔︎脳機能の低下
✔︎知能や体の発達の遅れ
など

<ミネラルを摂りすぎた場合の症状>
✔︎内臓機能に悪影響
✔︎下痢や嘔吐などの中毒症状
✔︎免疫力低下
など

どの食品もそうですが、これ単品だけ食べていれば栄養は満点!のような食品はありません。できるだけ多くの種類の食品を適切な量だけ食べることで栄養バランスは整います。
ミネラルも含まれる食品はそれぞれなので、ほどよい量を摂るよう意識していきましょう。



2.工夫1:小食/偏食なら食事回数を多くする

次に、食が細い場合や好き嫌いが激しい場合にできる工夫を考えます。
離乳食の時もそうだったかと思いますが、1回の食事であまり量を食べられない場合、食事の間におやつとして補食を入れます。

食べられる量に応じて、朝昼夜の3食の間に補食を1〜2回ですね。
例えば、次のようなスケジュールです。

7時 朝食
10時 おやつ(補食)
正午 昼食
15時 おやつ(補食)
18時 夕食

一度に多くの量を目にすると、「こんなにも食べられない」と、食べる意欲をなくしてしまうので、盛り付ける量は少量で。
少量を完食できたら、「もうちょっと食べられるかな〜」と意欲が出てくるので、焦らずに、子どものペースに合わせて食べられる量を増やしていきましょう。


3.工夫2:小食/偏食なら食べられるものを中心に

2つめの工夫についてですが、小食や偏食がある時はどうやって苦手な食品を食べてもらうかについて悩みますよね。
“今”その食品は食べられないかもしれないけど、成長するにつれて食べられるようになることは十分にあります。

なので、何としてもその食材を食べさせようと神経質にならず、他の食品で補完することを考えてみましょう。

例えば、にんじんが嫌いで食べられない場合は、むりやり食べさせようとせず、ほかにもビタミンAを含む食品はありますね。
鶏レバーなどのレバー類、うなぎのかば焼きなどの魚介類、かぼちゃやほうれん草、卵黄など、子どもが食べやすい食品が美味しく食べられればいいわけです。

また、小食や偏食の場合は、食べるものが限定されることも多いと思いますが、少ない量でもエネルギーが摂れるよう、カロリーが高いものを選ぶのもポイントになってきます。
先に見たように、年齢や活動量に見合ったエネルギーが十分に取れていないと様々な不調を招いてしまいます。

肉の炒め物やハンバーグ、春巻きや唐揚げといった揚げ物などのメニューも定期的に取り入れていきましょう。



今回は、「子どもが小食だけど大丈夫?」「ひどい偏食があるけどどうしたらいいの?」「栄養不足を改善するには?」と悩む方に向けて、栄養素が不足した場合における影響を把握するとともに、子どもの栄養不足が心配になる時にできる2つの工夫について書いてみました。

私も日々食事を作っていて感じていますが、我が子が食べる量が足りているのかどうかはわからないものですよね。
その日の気分や体調によってもバラバラなこともあると思います。

成長の過程は人それぞれ。
身長と体重の変化をみながら、ゆったりかまえていきましょう。


(参考文献)
『子どもに効く栄養学』中村丁次・牧野直子監修(日本文芸社)
『最新版 知っておきたい栄養学』白鳥早奈英監修(学研プラス)
『くらし役立つ栄養学』新出真理監修(ナツメ社)

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ABOUT US

栄養コンサルタント/ライター。 育児復帰後に時短勤務を続けていましたが、仕事と家事、育児をこなすだけで体力も精神力も限界に。気持ちに余裕を持って子どもたちと関わりたい、そのために自分自身がもっと柔軟に働きたい、と思うように。 家族と自分を大事にするため個を発揮できる働き方へシフト。地方公務員として14年勤務後、複数の食資格を取得し2019年から異分野でフリーに。 モットーは、“日々の何気ない食卓を子どもへの財産に変える”こと。