日本人に不足していると言われるカルシウム。
牛乳やチーズが大好き!という人でなければ、なかなか習慣的に食べるのは難しいのではないでしょうか。
この記事では、
✔︎カルシウムが大切っていうけど牛乳はどれくらい飲めばいいの?
✔︎牛乳や乳製品の臭いが苦手
✔︎牛乳や乳製品を使った料理を作りにくい
といった方に向けて、1日にとりたい牛乳・乳製品の適量を把握するとともに、手軽に摂取量を増やすコツについて紹介しています。
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1.点数で1日の適量を知る
こんにちは、献立作りを不要にする栄養コンサルタントの高野( @takano_nao)です。
これまでの肉魚編、豆類編、芋編と同じように、女子栄養大学で考案された「四群点数法」に沿って1日に必要な牛乳・乳製品の点数をみていきます。
この方法では、あらゆる食品を1点=80kcalとおき、それを自身の日常の身体活動レベルと性別、年齢からみた場合に、1日に何点必要か、ということを把握します。
ここで、身体活動レベルが「ふつう」の場合における牛乳・乳製品の必要点数を見てみます。
身体活動レベルⅡにおける牛乳・乳製品の摂取点数
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
3-5歳 | 2.0 | 2.0 |
6-7歳 | 2.5 | 2.0 |
8-9歳 | 2.5 | 2.5 |
10-14歳 | 3.0 | 3.0 |
15-17歳 | 3.0 | 2.5 |
18-29歳 | 2.5 | 2.0 |
30-69歳 | 2.0 | 2.0 |
(一般社団法人 栄養検定協会「身体活動レベル」から抜粋して独自作成)
この基準によると、1日にとる牛乳・乳製品の適量は、男女ともにピークが10−14歳の3.0点、20歳以降は、20代男性が2.5点である以外は2.0点になることがわかります。
2.牛乳・乳製品の1日の適量を知る
牛乳・乳製品の代表的な栄養素の特徴を挙げてみると
✔︎たんぱく質、カルシウム、鉄、ビタミンA、ビタミンB2などを含み栄養バランスがよい
✔︎カルシウムが体に吸収されやすい
ということ。
小さい頃から“牛乳を飲もう”とよく耳にしてきたかと思いますが、では、なぜ牛乳・乳製品を摂る必要があるのかと疑問に思いますよね。
それはカルシウムの吸収率が高いから。
<カルシウムの吸収率>
牛乳・乳製品 約50%
小魚、野菜 20〜30%
カルシウムは色んな食品に含まれていますが、牛乳や乳製品に含まれるカルシウムは体に吸収されやすい形態で存在しているんですね。
体内のカルシウムは99%が骨と歯に、1%が血液や細胞中にあり心臓や筋肉を動かすために働いています。
私たちに欠かせない大切な栄養素。
効率よくカルシウムを摂れるのであれば利用しないと損!なので、積極的に取り入れていきましょう。
次に、牛乳・乳製品の食品1点(80kcal)あたりの写真と分量を挙げるので、概量のイメージをつかんでみてください。
どれを選んでも1つで80kcalとなります。
普通牛乳120g
加工乳(低脂肪)170g
ヨーグルト(ドリンクタイプ加糖)120g
ヨーグルト(加糖)120g
ヨーグルト(低脂肪無糖)180g
パルメザンチーズ17g
チェダーチーズ19g
クリームチーズ23g
プロセスチーズ24g
カマンベールチーズ26g
モッツァレラチーズ29g
カッテージチーズ75g
厚生労働省の『平成29年国民健康・栄養調査』によると、1歳以上のほぼ全ての年代においてカルシウムの摂取量は目標基準値を下回っていることがわかっています。
この結果からわかるように、なかなか日々必要量を食べられていないのが現実。
でも、摂取量を増やすのはそれほど難しいことではありません。普段の生活に少しプラスするだけで簡単に補うことができます。
次に、そのコツをみていきます。
3.牛乳・乳製品の摂取量UPのための3つのコツ
牛乳や乳製品は、そのまま食べたり飲んだりできるので、調理が必要なほかの食材と違って日常に取り入れやすい食品です。
ただ、独特な味と臭いを持つ、という側面もあるので、人によって好みが出やすいかもしれません。
そんな悩みを解消しつつ、もっと手軽に牛乳・乳製品をとるためのコツを挙げるので、ぜひ参考にしてみてください。
3-1.朝食にそのまま食べる
他の食品と比べて、そのまま手軽に食べられる点は大きいですね。
朝食に何を食べるは、幼少期からの食習慣や、社会人になってからの生活習慣などが大きく関わっていることがありますが、ほんの少し意識を変えるだけで栄養バランスは整えることができます。
いつも食べている朝食に、お好みのチーズやヨーグルトを添えたり、サンドイッチにチーズをはさんでみたり。
普段から乳製品をあまり食べない人が、必要点数のうち1.0点を全部朝食で摂る!と思うと負担になって続かないので、まずは少し加えるイメージでいきましょう。
3-2.間食に添える
なんとなーく小腹が空いた午後。
なんとなーく間食を食べていたらもったいない。
子どもにとって“おやつ”は必要なカロリーや栄養素をとる軽食に位置付けられていますが、大人のおやつタイムにもぜひプラスしちゃいましょう。
不安を感じたりイライラするなぁという時、胃が痛い、よく眠れない、といった症状が見られる時など、日常生活でのストレスは色んな症状を引き起こしてしまいます。
そこで。
精神の安定を保つ働きをしてくれるのがカルシウムやマグネシウム、ビタミンB群。
栄養素は互いに影響しあって働いているので、栄養バランスのいい食事をとることは前提になりますが、ストレスを緩和するために、間食にもちょこちょこ乳製品を取り入れていきたいですね。
3-3.料理にプラスする
最後は“料理に加える”というものです。
◾︎スープに
和洋いろんなスープがありますが、そこに少量の牛乳やパルメザンチーズを入れてみてください。
予想を裏切ったうま味と深みが出て、新しい美味しさを発見できます。
お味噌汁にパルメザンチーズを入れるのも合いますよ。
◾︎カレー・シチューに
カレーやシチューなどの煮込み料理に牛乳を入れたり、隠し味にチーズを入れたり。料理の中に混ぜ込んでしまうので、臭いが苦手な人でも違和感なく美味しく食べることができます。
◾︎ハンバーグ・お好み焼きに
煮込み料理と同じように、具だねの中に入れ込んだり、チーズは上に乗せたりできますね。ひと手間でコクも栄養素も増やせるのは嬉しいです。
◾︎コーヒー・紅茶に
私の母はヨーグルトはそのまま食べられるものの、牛乳やチーズの臭いがダメでした。
手軽にカルシウムを、ということで、コーヒーに牛乳を入れて飲むのは大丈夫だったので、朝食によくカフェオレを作っていました。
カフェオレやミルクティーが飲める場合は、ぜひ牛乳をプラスしてみてください。
乳製品のイメージがあるかもしれない豆乳は大豆からできているため第2群の豆類に、生クリームは脂質が大きな割合を占めているので第4群の油脂類にそれぞれ分類されます。乳製品ではないので注意してくださいね。
今回は、「1日に牛乳はどれくらい飲めばいいの?」「牛乳や乳製品の臭いが苦手」「牛乳や乳製品を使った料理を作りにくい」といった方に向けて、1日にとりたい牛乳・乳製品の適量を把握するとともに、手軽に摂取量を増やすコツについて書いてみました。
少しの工夫で食事の栄養価を上げて、さらに元気な毎日を過ごしていきましょう。
(参考文献)
『(七訂)食品80キロカロリーガイドブック』香川芳子編(女子栄養大学出版部)
『バランスのよい食事ガイド なにをどれだけ食べたらいいの?』香川芳子監修(女子栄養大学出版部)
『最新版 知っておきたい栄養学』白鳥早奈英監修(学研プラス)
『くらしに役立つ栄養学』新出真理監修(ナツメ社)
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