【油脂類編】知ってお得!油の1日摂取量を見直してもっと内側美人に

普段の料理に何気なく使っている植物油やバター、牛脂、マヨネーズ。
これらは油脂類に分類されますが、栄養素としての役割があることをご存知ですか?

この記事では、
✔︎油って栄養素なの?
✔︎油は太るイメージしかない
✔︎どんなふうに油を摂ればいいの?

という方に向けて、油の1日の摂取量を把握するとともに、油の賢い摂り方について紹介しています。



1.点数で1日の適量を知る

こんにちは、献立作りを不要にする栄養コンサルタントの高野( @takano_nao)です。

今回は牛乳・乳製品編に引き続き、油の1日の摂取量を把握するため、女子栄養大学で考案された「四群点数法」に沿って油脂類の点数をみていきます。

(参考)
一般社団法人 栄養検定協会「四群点数法とは」

この方法では、あらゆる食品を1点=80kcalとおき、それを自身の日常の身体活動レベルと性別、年齢からみた場合に、1日に何点必要か、ということを把握します。

ここで、身体活動レベルが「ふつう」の場合における油脂類の必要点数を見てみます。

身体活動レベルⅡにおける油脂類の摂取点数

年齢男性女性
3−7歳1.01.0
8−9歳1.51.5
10−11歳2.02.0
12−14歳2.52.5
15−17歳3.02.5
18−49歳3.02.0
50−69歳2.51.5

一般社団法人 栄養検定協会「身体活動レベル」から抜粋して独自作成)

この基準によると、1日にとる油脂類の適量は、男性のピークが15-49歳で3.0点、女性のピークが12−17歳で2.5点となっています。
太るイメージが強い油脂類かもしれませんが、しっかり栄養素として必要点数が規定されているんですね。


2.油脂類の1日の適量を知る

常温で個体のもの(肉の脂身やラードなど)と、常温で液体のもの(大豆油やごま油など)を合わせて“油脂”と呼び、その油脂は“脂肪酸”と呼ばれるものから構成されています。

脂肪酸には多くの種類がありますが、その種類と組み合わせによって色んな種類の油脂ができているんですね。

そんな油脂類ですが、代表的な栄養素として有名なのは
✔︎体内にエネルギーを貯蔵し、体温調節を行う中性脂肪
✔︎血中コレステロールを減らしたり高血圧を防ぐオレイン酸やα−リノレン酸などの不飽和脂肪酸
✔︎体をサビ(酸化)から守ってくれるビタミンE

など。

私自身、栄養学を学ぶ前は油脂類が栄養素としての役割を持っていることも、国が定めている食事バランスガイドや食品群の中にどんな意味を持って定められているかということも、はっきり理解していませんでした。

でもよく知っていくうちに、立派な栄養素の一つだとわかるように。

ここで、油脂類の食品1点(80kcal)あたりの写真と分量を挙げるので、自分にとって必要な概量のイメージをつかんでみてください。
どれを選んでも1つで80kcalとなります。

オリーブ油9g
ひまわり油9g
ごま油9g
菜種油9g
大豆油9g
えごま油9g
亜麻仁油9g
(※油9g=大さじ¾に該当します)

牛脂9g
ラード9g
有塩バター11g
発酵バター11g
マヨネーズ(全卵)11g
ホイップクリーム20g
フレンチドレッシング20g
ごまドレッシング22g
和風ドレッシング40g


ここで注意しないといけないことは、私たちが毎日口にする食品の中には“見えない油”が含まれているということ。
イメージしやすいものとして、牛乳やチーズなどの乳製品、パン類、ケーキなどの洋菓子、スナック菓子といったものの中にも油は含まれています。

上の写真で示したのは“見える油”ですが、このような見えない油も日々摂っているわけです。

四群点数法では、そんな見えない油を摂ることを前提に、見える油、つまり調理や食事で使っていい油はこれだけですよ、ということを示してくれています。

3.油脂類の働き

次に、油脂類の具体的な働きを見ていきましょう。
決して太るものではなく、私たちの体を維持するのに大事な役割を担ってくれています。

3-1.エネルギー源になる

子どもの成長期や、スポーツや仕事などで1日の活動量が多いといった場合には、それ相応のカロリーが必要になります。

炭水化物とタンパク質が1gあたり4kcalのエネルギーを生み出すのに対し、油脂類は1gあたり9kcalと効率が良いエネルギー源。

1日にご飯やお肉などで必要なカロリーをまかなおうとすると、ものすごい量の食事をしなければならなくなるんですよね。
毎日そんな量を食べることはできないので、油を効率的にとる必要があるというわけです。

3-2.脂溶性ビタミンの吸収を促進

現在13種類のビタミンが認められていますが、油脂に溶けやすい脂溶性ビタミン(A,D,E,K)と、水に溶けやすい水溶性ビタミン(B群,C)があります。

同じビタミン類でも、脂溶性か水溶性かによって吸収のされ方が異なるんですね。
なので、脂溶性ビタミンは油と一緒に摂る方が吸収率が高まります。

目と皮膚の健康を守るビタミンA、強い抗酸化作用があるビタミンE、丈夫な骨と歯を作るビタミンD、出血を止めるビタミンKと、それぞれ重要な働きがある脂溶性ビタミンなので、ぜひ油脂類と一緒に摂るようにしましょう。

3-3.細胞膜・ホルモンの材料になる

“コレステロール”と聞くと、悪いイメージしかないかもしれませんが、これも油脂類の仲間。

血中コレステロール値が高いと動脈硬化や脳卒中などを引き起こすことがよく問題視されていますが、コレステロールの最も大事な働きとしては“細胞膜を構成している”という点。

細胞膜や血管の弾力を保ってくれているので、コレステロール値が低すぎると血管が弱くなることによって脳出血のリスクが高まることに。
何でもほどよい量を摂ることが大事なんですね。

以上、油脂類の働きをみてきましたが、大人の場合、油脂類を摂り過ぎたら生活習慣病になる、というイメージが強いと思います。
ですが、子どもの場合、油脂類が不足してしまうと細胞の機能が正常に働かなくなったり、脳の発達に影響したり、疲れやすくなったりする症状が
また、肌の乾燥や弾力性低下、皮膚炎や湿疹なども引き起こす可能性があるので、油脂類からのエネルギーは足りているかな、と十分に気をつけていきたいですね。



4.油脂類は摂取量バランスがポイント

見えない油はすでに食品の中に含まれているので、摂取量を減らすことはできても、完全には除外はできないもの。

だからこそ、見える油は自分でコントロールできるので、積極的に良い油をとっていきたいですよね。
最後に、どのような油をとっていけばいいかを見ていきます。

4-1.飽和脂肪酸を減らす

肉や乳製品などの脂肪に多く含まれるのが“飽和脂肪酸”。
よく耳にするように、皮下脂肪や内臓脂肪などの中性脂肪になったり、コレステロールの原料になったりします。

摂りすぎると体脂肪が増えて肥満になるほか、血中の脂質バランスがくずれて脂質異常症などの生活習慣病や心筋梗塞などのリスクが高まることに。

厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では18歳以上の男女について、飽和脂肪酸の割合は1日の摂取エネルギーに対し7%以下とされています。

1日の総エネルギーが2000kcalの人の場合、飽和脂肪酸は140kcal以下に抑えるべき、ということですね。

4-2.不飽和脂肪酸を増やす

不飽和脂肪酸にも多くの種類がありますが、ここでは油脂類に分類される食品に含まれるものをピックアップします。

代表的なものが、
✔︎オレイン酸(オリーブ油、ひまわり油、菜種油など)
✔︎リノール酸(ひまわり油、ごま油など)
✔︎α−リノレン酸(しそ油、亜麻仁油、えごま油など)
(※油によって含まれる脂肪酸やその比率が変わります)

どれも、血液中の余分な中性脂肪やコレステロールを減らしたり、血栓を防ぐといった働きがあるので、毎日摂取量を意識していきたいですね。



今回は、「油って栄養素なの?」「油は太るイメージしかない」「どんなふうに油を摂ればいいの?」といった方に向けて、油の1日の摂取量を把握するとともに、油の賢い摂り方について書いてみました。

これでもう、“油は太るだけのものじゃない”“適量をとれば体の内側からきれいになれる”ということをわかっていただけたのではないでしょうか。

飽和脂肪酸も不飽和脂肪酸もバランスが大事。
人の体ってほんとよくできていますよね。
油のパワーを利用して健やかに過ごしていきましょう。


(参考文献)
『(七訂)食品80キロカロリーガイドブック』香川芳子編(女子栄養大学出版部)
『バランスのよい食事ガイド なにをどれだけ食べたらいいの?』香川芳子監修(女子栄養大学出版部)
『最新版 知っておきたい栄養学』白鳥早奈英(学研プラス)
『子どもに効く栄養学』中村丁次/牧野直子監修(日本文芸社)

ABOUTこの記事をかいた人

栄養コンサルタント/ライター。 育児復帰後に時短勤務を続けていましたが、仕事と家事、育児をこなすだけで体力も精神力も限界に。気持ちに余裕を持って子どもたちと関わりたい、そのために自分自身がもっと柔軟に働きたい、と思うように。 家族と自分を大事にするため個を発揮できる働き方へシフト。地方公務員として14年勤務後、複数の食資格を取得し2019年から異分野でフリーに。 モットーは、“日々の何気ない食卓を子どもへの財産に変える”こと。