なす料理の定番、煮浸し。
やさしい味が染み込んでほっこりしますよね。
忙しい毎日、ちょっとした1品を作りたい時に、コンロを使うのを億劫に感じることはないでしょうか。
時短調理で副菜を増やすシリーズの第11弾。
今回はなすを取り上げ、コンロを使わない副菜作りをみていきます。
この記事では、
✔︎なすの副菜を簡単に作りたい
✔︎手抜きに見えないなすの1品を作りたい
✔︎なすの副菜のレパートリーを増やしたい
といった方に向けて、なすの強力な抗酸化作用をみるとともに、コンロ不要でできるお手軽副菜レシピを紹介しています。
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1.紫色に秘められたなすパワー
こんにちは、献立作りを不要にする栄養コンサルタントの高野( @takano_nao)です。
あなたはどんななす料理がお好きですか?
炒めもの、煮浸し、麻婆なす、天ぷら‥
なすは調理法を問わず、和洋中どんな料理にも合いますし、使いやすくて便利ですよね。
なすはその濃い紫色が特徴的ですが、中身は薄いため淡色野菜に分類されます。
どのような栄養素があるのか見ていきましょう。
✔︎ビタミンK
✔︎葉酸
✔︎ビタミンC
✔︎カリウム
✔︎食物繊維
✔︎ナスニン
✔︎クロロゲン酸
骨や歯を強くしたり血液を作ったり、免疫力を高めてくれたりする栄養素が含まれています。
また、旬は夏。
カリウムが多いので体の熱をとってくれる効果があるんですね。
皮の紫色はナスニンという成分。
ポリフェノールの一種でとても強い抗酸化作用があることが知られています。
動脈硬化防止やがん予防に効果的なので、食べるときには皮ごとがお得ですね。
ほかに、ナスニンと同じポリフェノールの一種であるクロロゲン酸が含まれています。
コーヒーに含まれる成分として聞かれたことがあるのではないでしょうか。
脂肪の蓄積を抑えてくれたり、血糖値の上昇を抑える効果が見込まれるんですよね。
ただ、これらポリフェノールは水溶性のため、水に溶け出してしまうのが難点。
なので、なすのアク抜きをするのに水につけるなら、時間は短くして、有効なポリフェノールもしっかり取り入れていきましょう。
2.今回のうま味食材
食材自身が持つうま味を最大に活かし、簡単に“美味しい”を作るには、うま味の多い食材を合わせるのがポイント。
このシリーズで使っているうま味の法則は次のとおりです。
たんぱく質×うま味食材×オイル
今回は次のようなものを選びました。
✔︎豚ミンチ×味噌×ごま油
✔︎とろけるチーズ×オリーブオイル
ミンチ肉は炒め物にしたりチャーハンにしたり、丸めて肉団子にしたりと、使い勝手のいい食品ですよね。
うま味が多いので、副菜に少し入るだけで味に深さが出ます。
ただ、ミンチは脂質が多いので、ヘルシーさを求めるなら赤身のミンチを使う方がベターですね。
そして、とろけるチーズ。
サンドイッチやグラタン、ハンバーグ献立の定番ですよね。
使い方は自由ですし、不足しがちなカルシウムを補給できる食品なので、トッピングとしても気軽に使っていきましょう。
3.コンロを使わないお手軽副菜レシピ3選
今回は、コンロを使わないレシピにしてみました。
生食のほかは、電子レンジとトースターを使いますが、いくつかの食材を合わせたらあとは放っておくので、手が空くのも嬉しいところです。
3-1.20分放置♪なすの浅漬け
(材料)
なす、塩麹
(作り方)
1.なすを薄い半円にカットする。
2.ボウルに1のなすと塩麹(今回は液体タイプを使用)を入れ、軽く揉み込み、20分程度おく。
今回は通常サイズのなす1本と、なすの重量の1/10の液体塩麹を使いました。
なすは火を通すイメージがあるかもしれませんが、生食もできるんですよね。
なすの中でももっとも生食に適しているのが“水なす”。
アクが少なく、一般的ななすと比べるととても食べやすいです。
水分を多く含んでいて、歯応えもみずみずしさも抜群。
ほのかな甘みも感じられて、私も初めて食べた時には「これがなす?」ととてもびっくりしたのを覚えています。
麹の働きで、なすの甘味やうま味がアップするので、あっさりした副菜に、箸休めにぴったりの1品です。
3-2.レンジで簡単♪なすの肉そぼろ
(材料)
なす 1本半
豚ミンチ 150g
みりん 大さじ2
酒 大さじ1
味噌 小さじ1
(作り方)
1.なすを食べやすい大きさにカットする。
2.耐熱ボウルに1のなすと、ほかの食材を全部混ぜ合わせる。
3.軽くラップをして電子レンジにかけ、加熱ムラをなくすため途中で一度かき混ぜて、再度レンジで加熱する(600Wで合計4−5分)。
和食の定番、そぼろもレンジで作ります。
塩味が足りないなら味噌を追加して味を見てください。
好みにより生姜で味を深めてもいいですね。
ミンチ肉はかたまり肉に比べて火が通りやすいため、レンジ調理に向いています。
私は以前、電子レンジで生肉を調理することに少し抵抗がありました。
レンジでチンしたら、お肉が固くなったり、加熱ムラができそうで心配だな、と。
これまでミンチ肉もかたまり肉もレンジ調理してきて思うのは、確かにかたまり肉は、調理途中のかき混ぜに気をつけても、熱の通り方に偏りができるかもしれません。
しかし、ミンチ肉はバラバラなので、途中でかき混ぜておけば、たいていの場合、きちんと火が通ってくれるんですよね。
なので、ミンチ肉の方がレンジ調理では安心できるのでは、と思っています。
3-3.とろ〜り♪なすのチーズ焼き
(材料)
なす、オリーブオイル、粒マスタード、とろけるチーズ
(作り方)
1.なすを平くカットする。
2.耐熱ボウルに1のなすを入れ、オリーブオイルを適量回しかけ、ラップをして1分程度加熱する。
3.2に粒マスタードを加えて和え、グラタン皿になすを敷き詰める。とろけるチーズを載せてトースターで焼き色がつくまで焼く。
オリーブオイルの風味とチーズのコクがマッチした、旨さ間違いなしの1品。
マスタードの辛味は加熱することで和らいで、程よい香味感が残るので、なすが苦手な子どもでもこれなら食べられるのではないでしょうか。
我が家では、普段あまり進んでなすを食べない長男が、「おかわりほしい!」というくらいペロリと平らげてくれました。
今回は、「なすの副菜を簡単に作りたい」「手抜きに見えないなすの1品を作りたい」「なすの副菜のレパートリーを増やしたい」といった方に向けて、コンロ不要でできるお手軽副菜レシピについて書いてみました。
コンロを使わずにできる副菜はあればあるほど便利ですよね。
主菜と汁物だけで2口占領することになるので、生食パターンのほか、電子レンジとトースターも活用できれば同時進行でさらに時短に。
時間をかけずに、肩の力を抜いて栄養をとっていきましょう。
前回の第10弾では、水菜を使って60秒でできる副菜を紹介しています。
水菜も生食ができる野菜なので、ぱぱっと作りたい方はぜひ参考にしてみてくださいね。
(参考文献)
『(七訂)食品成分表2018』香川明夫監修(女子栄養大学出版部)
『決定版 栄養学の基本がまるごとわかる事典』足立香代子監修(西東社)
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